Tuesday, July 21, 2009

たしかに既得権者に問題はある。しかし…

漢数字をアラビア数字に変えました。

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ケインズの闘い
ジル・ドスタレール
 1922年12月5日の銀行研修所での講義において、彼(ケインズ:引用者)は、貨幣賃金は物価よりも硬直的であり、それゆえ、それを急速に大きく修正しようと努めることによって経済均衡を再び達成しようと試みることは無駄であるという考えを展開した。「賃金を一定の水準に切り下げるとか、その種のことで均衡に達することはほとんど絶望的であるか、そうでなくとも長い時間がかかります」(1922-31,p.66 [邦訳68頁])。こうした見解にもかかわらず、彼は、失業の持続が高すぎる実質賃金水準と関係していると考えていた。けれども、いまや彼は、貨幣賃金を切り下げる試みによって失業は減少させることはできないと確信していた。実質賃金の下落は、物価の上昇によってのみ達成することができる。実質賃金との関係において為替相場や物価水準を調整しなくてはならないのであって、その逆ではないのである。

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