Sunday, December 27, 2009

金融屋さんの話を聞くときには

derivative : 名詞 : 引き出された物、派生物
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愚者の黄金
大暴走を生んだ
金融技術
ジリアン・テット
 金融マンはデリバティブについて語るとき、好んで複雑な専門用語を使おうとする。複雑さはデリバティブの世界の不透明感を高めることにつながり、それは彼らにとって好都合なのだ。不透明であれば監視の対象になりにくく、秘密のベールを突き破る能力を持った少数の人々が権力を手にする。だがデリバティブは現代ではきわめて複雑化したとはいえ、実際には金融の概念そのものと同じくらい長い歴史がある。
 デリバティブはその名が示唆するとおり、基本的には債権、株式、一定量の金といった他の資産から価値が派生する契約に過ぎない。重要なポイントは買い手も売り手もそれぞれ対象となる資産の将来価値について賭をしているということだ。デリバティブは投資家に対して、たとえば将来の望ましくない価格変動といったものから身を守る手段、もしくは巨額な収益につながる可能性のあるハイリスクな賭をするための手段を提供する。取引の中心となるのは、時間を巡る勝負である。
[p.p. 27]

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