Friday, April 2, 2010

法学部出身者が一番エライ国の経済政策

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日本経済復活
一番かんたんな方法
勝間和代
宮崎哲弥
飯田泰之
宮崎 あのですね、経済政策に直接的、間接的に影響を与えうるのは経済の専門家ばかりじゃないのです。例えば経済学の近接領域である政治学者の影響力もバカにならない。
 しかし、ここが一番ひどい状態なんです。例えば有斐閣のアルマというテキストシリーズの一冊に『比較政治制度論』があります。2008年の秋に上梓された本ですが、この9章で「中央銀行制度」が取り上げられているのですが、これがひどい!
「長期的な経済成長のためにはインフレ抑制が重要」とか、「中央銀行の独立性が弱いとインフレ率が上昇しがち」とか、「左派政権は労働者の雇用を守るためにインフレを甘受する傾向がある」などと堂々と記述されているうえに、徹頭徹尾、中央銀行の独立性=善、政治家の金融政策への介入=悪、インフレ抑制=善、金融緩和=悪というバイアスによって貫かれている。すごいのは、この章、インフレという語が頻出しているのに、デフレという言葉は一度も出てこないのです!
 著者は建林正彦、曽我謙悟、待島聡史という勝間さんとほぼ同世代の、東大、京大の法学部出身の政治学者で、それぞれ一流大学の教授、准教授です。エリート研究者のレヴェルがこれですもん。あとは推して知るべし。[pp.173]